アルキメデス

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店名がアルキメデスなので、深度と水圧の復習


  • アルキメデスは浮力の話だろ・・・と圧力はパスカルだろっていう苦情は店頭で受け付けます
  • オープンウォーターダイバーでは深度10mごとに1気圧増えていくとざっくりと学びました。
  • 空気中は79:21の割合で窒素:酸素と言うことも学習しました。
  • プロコースではその窒素と酸素が、その1気圧増えていくとどうなるのか詳しく学習します。
  • 炭酸水を作るには圧力をかけて水にCO2を溶け込ます作業をしてるわけですが、栓を抜くと炭酸は抜けて行きますよね
  • そういうような計算をダイビングコンピューターは瞬時にしてくれてるわけですね。
  • コンピューター任せにするだけでなく、理屈がわかっているとダイビングコンピューターを過信したりしない
  • この理屈(減圧理論)をプロコースでは学びます。
  • ダイブマスターでじっくり学習しますが忘れてしまったインストラクターの人も、もう一度復習しておきましょう。
  • えんぴつ

ホールデーン教授による減圧理論


 血中の不活性ガスの分圧、組織の血流量及び血液と組織における溶解度を以下のようにすると

   動脈内不活性ガス分圧:Pa   組繊血流量:Q
   静脈内不活性ガス分圧:Pv   血液溶解度:αb
   組織内不活性ガス分圧:Ptis  組織溶解度:αtis

不活性ガスが組織内に取り込まれる速度はQ * Pa * αb、不活性ガスが組織から取り去られる速度は
   Q * Pv * αb
で表わされますので、

不活性ガスが組織内に蓄積していく速度は
   Q * Pa * αb - Q * P, * αb つまりQ * αb (Pa - Pv)
になります。

 一方、組織内の不活性ガスの濃度をCtisとすると、この速度はdCtis/dtでも表わされますので、
   dCtjs / dt = Q * αb(Pa - Pv)
  の関係式がもたらされます。

 さらに、CtisはPtis * αtisとすることもできるので、上式は次のようになります。

   αtis * dPtis / dt = Q * αb(Pa - Pv)

 書き直して

   dPtis / dt = Q * αb / αtis *(Pa - Pv)

 ここでQ * (αb / αtis)をKとすると

   dPtis / dt = k(Pa - Pv)

  となります。


 さらに、ここで組織と血液の間に拡散による障害がなく、血液内のガスが速やかに組織に移行するとすると、

    Pv = Ptis

  と見なしてもよいので、この式は次のように書き表わされます。

   dPtjs / dt = k(Pa - Ptis)

 書き直して
   dPtis / (Pa - Ptis) = k * dt

 これを解いて、

  -log(Pa - Ptis) = k * t + C1(C1は定数)

  log(Pa - Ptis) = -(k * t + C1)

                -(k * t + C1)
  Pa - Ptis = e

                -(k * t + C1)           -kt       -C1
  Ptis = Pa - e         = Pa-C * e  (C = e  )

  t = 0のとき、Ptis = P0とすると

  P0 = Pa - C  C = Pa - P0

 したがって

                               -kt
   Ptis = Pa -(Pa - P0) *  e

書き直すと
                                  -kt
   Ptis = P0 +(Pa - P0)(1 - e   )

 ここで、Ptjsは時間tの関数なので、組織内の不活性ガス分圧が半分になるところ、
すなわち
      Ptjs - P0 = 0.5(Pa - P0)

  となるところのtをTとすると    -k*T
   Ptis - P0 = (Pa-P0)(1 - e     )= 0.5(Pa - P0)

              -k*T                -k*T
     0.5 = 1 -e        すなわち e      = 0.5

 となります。
 これを解いて
   k = -ln0.5 / T = 0.693 / T
 を得ます。

Tは半減時間ということでも表されるので、t時間経過後の組織の不活性ガス分圧は
固有の半減時間に応じて          -(0.693 / T)
     Ptis = P0 + (Pa - P0)(1 - e           * t)

として、書き表すことが出来ます。


UPTD

  • 肺活量の減少を指標として酸素中毒の程度を表そうとするのがUPTDと言います。
  • 実験によって下記のように把握することが可能と示されました。
一定の肺活量の減少を来した場合、暴露した酸素分圧の大きさと暴露時間の間に次のような関係があります。
                m
 P - 0.5 = b * t

Pは酸素分圧(気圧) ・ tは暴露時間(分)・ bとmは定数
この式は※下記の表では酸素分圧が0.5気圧以下では肺酸素中毒を考慮しなくてもよいことになります。
mは中毒量とは関係なく一定であることが解ってきました。

ここで問題とする実際の酸素分圧をP1、暴露時間をt1、1気圧の酸素分圧をP2、1気圧の酸素分圧に暴露した時間をt2とすると
         m
P1 - 0.5 = b * t1 ①

         m
P2 - 0.5 = b * t2 ②

の関係が成り立ちますのでbについて解くと
                  m
b = (P1 - 0.5) / t1

にそれぞれ①②を代入していくと
                          m     m
P2 - 0.5 = {(P1 - 0.5) / t1} * t2

                           m    m
(P2 - 0.5) / (P1 - 0.5) = t2 / t1

                        1/m
{(P2 - 0.5) / (P1 - 0.5)}  = t2 / t1

                         1/m
{(P2 - 0.5) / (P1 - 0.5)}   * t1 = t2

となって
このt2が定義によりUPTDを表します。
※UPTDは1気圧の酸素に1分間暴露した場合を1単位とし、何分間暴露したことに相当するかを単位の基準としています。

ここで、実験データから
m = -1.2
であることが判明しており、
1/m = -0.833
P = 1.0
となって故に
                       -0.833
UPTD = {0.5 / (P - 0.5)}     * t1
となり
               -0.833
{0.5 / (P - 0.5)}     
のkとして下記の表に代入すると、UPTDを調べることが出来ます。

早見表

酸素分圧 k 酸素分圧 k 酸素分圧 k
0.5 0.00 1.3 1.48 2.1 2.64
0.6 0.26 1.4 1.63 2.2 2.77
0.7 0.47 1.5 1.78 2.3 2.91
0.8 0.65 1.6 1.93 2.4 3.04
0.9 0.83 1.7 2.07 2.5 3.17
1.0 1.00 1.8 2.22 2.6 3.31
1.1 1.16 1.9 2.36 2.7 3.44
1.2 1.32 2.0 2.50 2.8 357

気泡の縮小

気泡の容積の変化は次の式で捉えることが出来ます。

   dV / dt = k1 * A * (Pi - Po)

気泡の容積をVとすると、容積の変化の速さは気泡の中の不活性ガスの分圧P1と気泡の外の不活性ガスP0の差に比例する
【Aは気泡の表面積、k1は定数、tは時間 】

以上は大気圧下での状態なので、再圧した場合を考えると気泡の大きさは環境の圧力(Pb)に反比例する

   dV / dt = k1 * A * (Pi - Po) / Pb

※表面張力など他の作用は一切無視

容積を今度は気泡の半径ないし直系(r)で表しますと
      V = k2 * r3   A = k3 * r3(k2及びk3は定数) 

気泡の寸法の小さくなる速度は
      dr / dt = k  * {(Pi - Po) / Pb}(kは定数)
で表されます

更に、気泡を構成するガスがすべて不活性ガスだとすると、
気泡の中の不活性ガス分圧(P1)は環境の圧力(Pb)と同じになります。
式は
      dr / dt = k  * {(Pb - Po) / Pb}(kは定数) 

これがどういうことを表すかと、酸素を呼吸した場合、Poは0とすることが出来るので
気泡の寸法の小さくなる速度はもっと早いkになります。
空気を呼吸すると
Po = 0.79  *  Pb
と表され

k / (Pb - 0.79  *  Pb) / Pb = 0.21k
となり、酸素を呼吸した場合の0.21倍の速度でしか気泡は縮小しないことを意味します。


池田知純一等海佐著書「潜水医学入門書」から抜粋

 

難しい話で疲れてきたところ、ちょっと一息 ダイビング雑談でも

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